先日の嵐ジオでも話題になっていた「Lucky Man」の歌詞「満タンcarなんだ。」が「男の子」に聴こえる件について、なんでだろうと考えてみました。
かく言う私も、初めてLucky Manを聴いた時から何年間かはずっと「男の子!」だと思ってました。そういう方は、多いのではないでしょうか?
なぜ初めは「男の子!」に聞こえるんでしょうか?ちょっと真面目に考えてみました。
①語数が同じ
そもそも「満タンcarなんだ」と「男の子」は一見、語数が全然違うように見えます。分かりやすいようにひらがなで表記してみると、
「まんたんかあなんだ」9文字
「おとこのこ」5文字
「満タンcarなんだ」の9文字に対して、「男の子」は5文字しかありません。そう、倍近くも違うのです。
でも、ちょっと待ってください。
「男の子!」と聞こえるけど、どちらかと言うと「おとこのこ」よりも「お・と・こ・の・こ!」に近いですよね?
この「・」を含めると…
「まんたんかあなんだ」9文字
「お・と・こ・の・こ」9文字
語数はピッタリ9文字で同じになります。
②「あ」=「お」
さて「満タンcarなんだ」という言葉ですが、これをローマ字表記にすると、
MANTANKAANANDA
となります。
少し分かりにくいので、区切ると、
MAN/TAN/KAA/NAN/DA
もうお分かりかもしれませんが、母音(-AN)で韻を踏んでるんです。
対して男の子をローマ字表記にすると
O/TO/KO/NO/KO
となり、母音は全てOです。
「あ」と「お」。全く異なる母音ですが、どうして同じ音に聞こえるのでしょうか?
③早口
その答えは、この「満タンcarなんだ」がかなり早いリズムで歌われていることにあります。
試しに、「あん」と言ってみてください。
「あ」は口をしっかり開けて、「ん」は口を閉じて発音しますよね。
では今度は「あん」を早口で繰り返してみましょう。
「あん、あん、あん、あん、あん…」
どうでしょうか?早口で何度も言うと、「あ」の時の口の開きは小さくなり、「ん」も口を閉じきらずに発音しませんか?
「あ」の口の開きが小さくなることで、発音が「お」に近くなります。
そして「ん」は無音に近くなるのです。
つまり、「AN」=「O」に聞こえるという訳です。
④「まん」=「お」
ではここからは一文字ずつ、解説していきましょう。
「満タンcarなんだ。」の「まん」は、「男の子」の「お」に当てはまります。
ローマ字表記で表すと、
「MAN」=「O」ということになります。
「AN」=「O」であることは、先程も説明しましたが、子音の「M」はどこに行ってしまうのでしょうか。
それはこの「満タンcarなんだ。」がコールアンドレスポンスの一部であるということが要因です。
皆と声を合わせる時、文頭の音は揃わずに聞こえにくくなってしまうのです。
その為頭の「M」は発音されているものの、聞き取りにくくなってしまい、「MAN」=「O」と聞こえてしまうのです。
⑤「たん」=「と」
「満タンcarなんだ」の「たん」は、「男の子」の「と」の部分に当たります。
これは、一番シンプルです。
「AN」=「O」なので、「TAN」は「TO」となります。
⑥「かあ」=「こ」
次は「満タンcarなんだ」の「car」ですが、これは「男の子」の「こ」に当てはまります。
「car」の部分は、唯一母音が「AN」ではないのですが、ここの部分も「あ」の口の開きが甘くなり、「お」と聞こえます。
よって、「KAA」=「KO」となります。
⑦「なん」=「の」
「満タンcarなんだ」の「なん」は、「男の子」の「の」に当たります。
こちらもシンプルです。
「AN」=「O」なので、「NAN」=「NO」と聞こえるのです。
⑧「だ」=「こ」
最後は「満タンcarなんだ」の「だ」ですが、これは「男の子」の「こ」の部分になります。
今までの法則でいくと、「DA」は「DO」となるのが関の山で、「こ」と聞こえる訳はないのですが、人間とは思い込みの生き物なので、「おとこの」と来たら、「こ」が続くと思ってしまい、「だ」=「こ」に聞こえるという訳です。
まとめ
皆さん、いかがだったでしょうか?
「満タンcarなんだ。」が「男の子」に聴こえる理由を大きく申し上げると、
- 早口
- コールアンドレスポンス
- 思い込み
などの理由が重なり、なるべくして「男の子」と空耳しているということが、おわかりいただけたでしょうか?
「Lucky Man」が勢いのあるアップテンポな曲だからこそ、起こってしまった空耳なのかもしれません。
いつの日か、またコンサートで「満タンcarなんだ」と叫べる日を夢見て。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。